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古い鍵が回らない!交換も視野に入れるべき?
長年使用している古い鍵が、最近どうも回りにくい、あるいはついに回らなくなってしまった、というケースは少なくありません。このような場合、修理で対応できることもありますが、鍵の状態や使用年数によっては、交換も視野に入れるべきかもしれません。古い鍵が回らなくなる原因としては、まず経年劣化による部品の摩耗や損傷が考えられます。鍵本体の鍵山がすり減っていたり、鍵穴(シリンダー)内部のピンやタンブラーが摩耗して動きが悪くなっていたりすると、スムーズな施錠・解錠ができなくなります。また、長年の間に鍵穴内部に蓄積したホコリやゴミ、金属粉などが、潤滑油と混ざって固着し、回転を妨げていることもあります。これらの場合、鍵穴のクリーニングや適切な潤滑剤の使用、あるいは部品交換によって修理できる可能性はあります。しかし、修理で一時的に改善したとしても、根本的な摩耗や劣化が進行している場合、再び同様のトラブルが発生するリスクは残ります。特に、その鍵が既に製造から10年以上経過しているような場合は、錠前全体の寿命が近づいている可能性も考慮すべきです。さらに、古いタイプの鍵は、現在の防犯基準から見るとセキュリティ性能が低い場合が多いという点も重要です。例えば、ディスクシリンダーキーなどは、ピッキングに対して脆弱であることが知られています。鍵が回らないというトラブルを機に、より防犯性の高い最新の鍵(ディンプルキーなど)に交換することは、住まいの安全性を大幅に向上させる良い機会とも言えます。鍵の交換には費用がかかりますが、修理を繰り返すコストや、万が一の侵入被害に遭うリスクを考えれば、長期的に見て賢明な投資となることもあります。まずは専門の鍵業者に状態を診断してもらい、修理で対応可能か、それとも交換が推奨されるか、アドバイスを求めるのが良いでしょう。
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鍵が回らない時の潤滑剤!正しい選び方と使い方
鍵が回りにくい、あるいは回らなくなってしまった時、まず試してみたくなるのが潤滑剤の使用です。しかし、潤滑剤なら何でも良いというわけではありません。間違った種類の潤滑剤を使ってしまうと、かえって症状を悪化させてしまう可能性があるため、正しい選び方と使い方を理解しておくことが非常に重要です。鍵穴に使用する潤滑剤として最も適しているのは、「鍵穴専用」と明記された、速乾性のある「パウダースプレータイプ」のものです。これは、潤滑成分である微細なフッ素樹脂などの粉末が、鍵穴内部に付着し、滑りを良くする仕組みです。スプレー後すぐに乾燥するため、ホコリやゴミを吸着しにくく、鍵穴内部をクリーンな状態に保ちやすいというメリットがあります。一方、絶対に避けるべきなのが、CRC5-56のような一般的な浸透潤滑スプレーや、シリコンスプレー、ミシン油、サラダ油といった液体の油です。これらの油は粘度が高く、使用直後は一時的に滑りが良くなったように感じられても、時間とともに鍵穴内部のホコリや金属粉を吸着し、ネバネバとした塊になって固着してしまいます。これが原因で、鍵の動きがさらに悪化し、最悪の場合、完全に回らなくなってしまうこともあります。正しい使い方は、まず鍵穴のノズルを鍵穴にしっかりと差し込み、ごく少量(1秒程度)をスプレーします。スプレーしすぎると、粉末が内部で固まってしまう可能性があるので注意が必要です。その後、鍵を数回抜き差しして、潤滑剤を鍵穴全体に馴染ませます。これで鍵の回転がスムーズになれば応急処置は完了です。もし、潤滑剤を使用しても改善しない場合や、症状が悪化するような場合は、鍵穴内部に別の問題が発生している可能性が高いため、無理せず専門の鍵業者に相談しましょう。