冬の寒い時期になると、「鍵が回りにくくなった」「ついに鍵が回らなくなった」といったトラブルが増える傾向があると言われています。これには、寒さが鍵や鍵穴に与えるいくつかの影響が関係していると考えられます。まず考えられるのは、「鍵穴内部の水分凍結」です。雨や雪、あるいは結露などによって鍵穴内部に侵入したわずかな水分が、氷点下の気温になると凍結し、内部の部品の動きを妨げてしまうことがあります。特に、屋外に直接面している玄関の鍵などは、この影響を受けやすいです。次に、「金属の収縮」も一因となり得ます。金属は温度が下がるとわずかに収縮する性質があります。鍵や鍵穴の部品も金属でできているため、低温によって収縮し、クリアランス(隙間)が微妙に変化することで、鍵の回転が渋くなったり、回らなくなったりすることがあります。また、「潤滑油の粘度上昇」も影響します。鍵穴に使用されている潤滑油の種類によっては、低温になると粘度が高まり、潤滑性能が低下してしまうことがあります。これにより、金属部品同士の摩擦が大きくなり、鍵が回りにくくなるのです。これらの寒さによるトラブルへの対策としては、まず鍵穴に水分が侵入しないように注意することが挙げられます。例えば、鍵穴にカバーを付けたり、ドアに雨除けを設置したりするのも有効です。もし凍結が疑われる場合は、鍵穴をドライヤーなどでゆっくりと温めてみる(ただし、急激な温度変化は避ける)という方法もありますが、火災の危険性もあるため慎重に行う必要があります。また、寒冷地対応の鍵穴専用潤滑剤を使用するのも良いでしょう。それでも改善しない場合や、頻繁にトラブルが起こるようであれば、鍵自体の老朽化や他の原因も考えられるため、専門の鍵業者に点検を依頼することをお勧めします。寒さが厳しい季節こそ、鍵のコンディションには特に気を配りたいものです。
冬場に多い?鍵が回らない原因と寒さの関係